時折、契約書などで「第三者に開示してはいけない」といった包括的条項がおかれていることがあります。
もっとも、弁護士のように法律上の守秘義務を負う相手に見せることは、一般に口外禁止条項違反になるとはとらえられていません。少なくとも、私が調査した限り、弁護士への相談行為を口外禁止条項違反とする裁判例や文献は見当たりませんでした。
【参考文献】
佐藤陽一『実践講座 民事控訴審-元高裁判事による実務のマイルストーン』(日本加除出版,2023年4月)215頁
【(4)口外禁止条項
また、最近の和解においては、しばしば口外禁止条項を求められる場面が見受けられます。当事者間での合意がある限り問題は少ないように思いますが、無条件の口外禁止条項といえども、全面的な禁止をすることはできず、証人の証言拒絶事由に当然に該当することにはならないでしょうから、当事者に過剰な期待や委縮の効果をもたらすようなことにならないよう席上での注意確認をしておきたいものです。同様に、その不履行の場合のペナルティを定めることもあります。この点も上記と同様に当事者間の合意の問題でしょうが、立証責任の負担や賠償額の定め方によっては公序良俗違反の疑いを抱かれるような極端な条項となることのないように、裁判所としては後見的立場でチェックをする必要があるでしょう。】